A男とB女が夫婦で,あなたがAと不倫(=不貞。肉体関係のこと)をしていたとします。不貞は,Aとあなたが,共同でBの権利を侵害する行為です。ですので,もしばれてしまった場合,あなたは(Aと共同でまたは単独で)Bに対して慰謝料を支払う義務があります。
通常は,Bから,内容証明郵便や書留等の書面で請求されるでしょう。「○月○日までに○円を支払わないと,法的措置に訴える」等の文章が書かれています。無視したり,話し合いが進まないと,訴訟に移される可能性があります。こうなると,裁判所に出廷して意見を述べないと,相手の言い分がそのまま認められ,満額請求が認められてしまいます。
まれに,いきなり訴訟を起こす人もいますが,通常は上で述べたように,書面を送り,まずは話し合うのが通常です(交渉)。交渉でまとまらないと,訴訟に進むことになります。
慰謝料の金額は,交渉においては,当事者の考え次第なのでケースバイケースですが,訴訟になった場合には,裁判官が認める額は,おおよその傾向があります。
まず,不貞が原因で夫婦が離婚に至ったかどうかで金額が大きく左右されます。通常,離婚に至った場合が100~300万,至らない場合が数十万~100万円程度,と言われます。もっとも,婚姻期間や不貞の回数・期間等によっても変わります。
例外的に,慰謝料の支払義務を負わないこともあります。
たとえば,相手の夫婦がすでに長期間別居状態にあり,すでに夫婦関係が破綻していた場合や,あなたがAが既婚者と知らなかった場合。もっとも,仮にAが独身と嘘をついていてあなたがそれを信じていた場合でも,ちょっと調べればAの嘘がすぐに分かる程度のものならば,信じ込んだあなたに責任があるとして,やはり慰謝料の責任を負うことになります。
ただし,あなたがAの嘘を信じていた場合,あなたの責任がゼロになることはないにせよ,慰謝料の金額が低くなることはありえます。
また,相手が不貞の事実とあなたの存在に気づいてから3年が経過した場合(または不貞の時期から20年経過した場合)も,時効が成立し,あなたに支払義務はなくなります。
不貞(不倫)がばれた場合,遅かれ早かれ,Bが動き出し,あなたに接触してくるものと思われます。最初から慰謝料請求することを断言する場合もあれば,まずは事実の確認だけする場合,謝罪を求める場合など,様々です。ときには何の連絡をしてこないまま,いきなり裁判にする人もいます。
事実として,あなたが不貞(不倫)をしたのであれば,Bを傷つけたことは事実ですので,謝罪の気持ちを持つことは大切ですが,だからと言ってBの求めるがままに謝罪し土下座し,Bの言うなりになればいいものではありません。
たとえば,交際関係にあったとしても,肉体関係は存在しなかった場合。あなたが,Aから,夫婦関係はもう破綻していると説明を受けていた場合。そもそもAから独身であると聞かされていた場合。このような場合には,あなたには慰謝料の支払義務はないか,あっても少額にとどまる可能性があります。
また,一般論として,あなたとAでは,婚姻関係にありながら不貞をしたAの方が責任が重いのが通常です(あなたがもしBに請求されるがままに慰謝料を払った場合,あなたは後日,そのうちの何割かを,Aに請求できるのが普通です)。
しかしながら,不貞が発覚した場合のBの心情として,まず例外なく,配偶者のAではなく,あなたを責めることになります。あなたがAをそそのかして不貞に誘い込んだ,と言われてしまうのです。
よって,あなたがBに対して謝罪の気持ちを持つことは大切ですが,Bは過大なまでにあなたの責任を追及してくるので,あなたは反論すべきことは反論しなければなりません。黙っていては,すべての責任をあなたひとりに負わされ,あなたひとりが悪者にされてしまうのです。
上で述べたとおり,Bは過大なまでにあなたの責任を追及してきますので,反論すべきことは反論する必要があります。
またそもそも,もしBが不貞の証拠を持っていなければ,相手は裁判にすることもできません。あなたが支払いに応じなければ,相手はそれ以上どうすることもできなくなります。ということは,あなたは不用意に,Bと接触しないほうがよいとも言えます。あなたが不貞の事実を認め,書面にサインしたり,あるいはその会話を録音されたりしたら,それ自体が不貞の証拠になってしまうからです。
むろん,不貞の事実に間違いなく,あなたがBに謝罪したいということなら,会って認めて詫びること自体を否定するものではありません。Bからは,何もしないからとりあえず会って事実だけを聞かせてほしい,など甘い言葉で呼び出してくることもあるでしょう。しかし,あなたが事実を認めたら,その後,高額な慰謝料請求となって はねかえってくる可能性があることをよくよく注意すべきです。
では,どうすればいいのでしょうか。不貞の事実の有無,Bの証拠の状況にもよりますが,安易にBと接触して話をすることなく,大至急弁護士に相談して,対応策を相談するのがベストでしょう。まずは会って謝罪して誠意を示したい,という方もいます。それには反対はしませんが,それが裏目に出て,相手に証拠を与えてしまい,過大な慰謝料請求につながる危険もあります。あるいは呼ばれるままに出向いていったら親族数人に囲まれて激しく責められ,居てもたっても居られず,高額な慰謝料を支払う書面にサインしてしまうこともあります。このような展開になってから弁護士に相談しても,手遅れになってしまうことがあります。
いずれにしても,その時の状況次第で対応策は変わります。ご自身で判断するのは,どんな高額な慰謝料を請求されても構わず払う,という覚悟が出来ている方でない限り,危険です。
依頼するかどうかは別として,まずはその時点で弁護士に善後策を相談してみるのがよいでしょう。相談してみて損することはありません。
そしてもしその場で依頼,となった場合には,弁護士は即,相手に連絡し,今後の交渉はすべて弁護士が行うのであなたには接触しないように求めてくれます。
相談の結果,弁護士に依頼するかどうかはあなたの判断ですが,一般的には,弁護士に依頼するメリットは極めて大きいといえます。理由は以下のとおりです。
第1に,Bが証拠をもっているか等により,こちらの対応も変わりますが,その時々のベストの判断で対応していきます。
第2に,Bはあなたを過大なまでに責め立てますが,あなたにも何らかの反論材料はあるはずです。弁護士はそれらの材料を適切にとりあげ,法的に整理して合理的に反論していきます。
第3に,第2にも関係しますが,適切な反論により,通常,相手の請求額を,かなり減らすことが期待できます。
第4に,あなたがBと交渉するのは,精神的にも時間的にもかなりつらいはずですが,弁護士をつければ,交渉はすべて弁護士がしますので,あなたはこれらの負担から解消されます。
第5に,もし交渉でまとまらずに訴訟になった場合には,遅かれ早かれ弁護士をつけないと対処できないと思いますが,そうであれば早い時点から弁護士に任せていたほうが,事情が分かっている分,訴訟も有利に進むことが期待できます。
第6に,最終的に慰謝料を払うことになった場合,大切なのは,将来に禍根を残さず,しっかりと約束事を決めておくことです。そのため,合意(示談)書面の作成が極めて重要になります。法的知識のない方がこれを作成すると残念ながら穴だらけとなり,将来,忘れたころに2回目の慰謝料請求がなされた,等の不幸もありうるのです。
千葉シティ法律事務所は,慰謝料案件に自信を持っており,あなたのお役に立てると信じています。
千葉シティ法律事務所の弁護士は,不貞慰謝料請求の案件を数多く経験しています。
裁判に争った例も数多く,異常な高額を請求してきた事例,金銭以外にも様々な条件を要求してきた事例など,様々なケースに遭遇しており,こうした経験値はあなたの解決にも役立つはずです。
不貞の慰謝料を請求されている人は,相手から見れば「加害者」です。しかし千葉シティの弁護士の経験では,たとえばAに騙され利用されていた等の事情も多く,あなたは「被害者」でもあると考えます。であれば,あなたは少なからず,心の傷を負っているはずです。
千葉シティは,慰謝料請求を排除し,または金額を減額させることを目標にしつつ,単に機械的にそれらを達成するのではなく,あなたの心の傷を癒し,いかに将来の明るい生活につなげるか,の視点を重視しています。
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